衣服をつくることは、その「形式(フォルム)」について思考することからはじめられなければならない。
すなわち、衣服を構成している基本的な5つの要素——形態、素材、色、柄、細部について考えることからはじめる必要がある。
衣服づくりでは、そうした形式的な要素がどう選択され、どう組み合わせられ、どう布置されるか―構成の在り方が問題になるのだ。
たとえば、衣服の表層に現れる意味や価値というのは、こうした構成の在り方によって生成するものであろう。
私たちは、衣服に内在した「方法」を展開すること―「衣服づくりのための衣服づくり」をめざして、そうした衣服における5つの構成要素のデータベースを作り上げることからはじめる。
そして、そのデータベースを機械的に組み合わせることで生じる膨大なデザインの可能性をつくり続ける/尽くす。
そうした臨界点において、あらためて「衣服とは何か」という問いが浮かび上がってくるのではないだろうか。
また、衣服はただ物質的次元にあるわけではない。それは身体との関係—「着る」という行為、あるいは「知覚」の問題とともに考えられなければいけない。
なぜなら、衣服は身体と切り離すことができず、つねにそれと相関して存在する「物」であるからだ。
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