2016 FASHION SHOW

「いま・ここ」


常日頃わたしたちが意識的に目にするものは、そのほとんどが情報伝達手段によってもたらされています。

衣服がわたしたちの手もとにやって来るまでを考えてみると、まず、ショーで発表された衣服はデジタル画像として二次元化されたのちにウェブサイトやSNS で拡散され、動画がそれに並走し、また、追随します。

ショーを行わないブランドは(ショーを行ったとしてもショーの画像とは異なった)いわゆるルックを発表します。

そして、ある決まった時期になると衣服は雑誌などの紙面に姿を見せ始めるのです。

複数のメディアは衣服の異なる側面を時間の経過のなかで照らし出しながら、わたしたちと衣服は関係をとりむすび、またそれを変化させていきます。

ファッションに内在する「メディア」、「時差」、そしてそれらがわたしたちの衣服に対するイメージを変質し得るということ。

これらのことを問題化するとともに、ファッションショーという一回性の場を再考します。


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